小説 第4弾!

 

 

またまた、恥の上塗り小説の不定期掲載の第4弾です。今年は松原湖少年

探偵団結成から40年の節目となる事に気づき、今年中に書き上げねばとい

う思いに至りました。

事実とフィクションが混ざっていますが、かなり事実もあります。

ああっ、高校三年生~


 

夜半、微熱の頃を過ぎても  載第4回

 

◆第4 章 多摩川集会への案内 

翌日の金曜日、Hは二日酔いみたいな頭痛を抱えて登校した。SSの家で、昨日、不味いサントリー・レッドを飲みすぎていた。「水割りなんかじゃ、酔えないよ」とSSに挑発されたのが原因で、小さめのコップでウィスキーを生のままで2杯飲んだ。喉も胃袋もひりひりとして、あまりに不味いので途中からレモンを絞り、ウィスキーの味を少し変えて、なんとか3杯目も飲んだ。酔ってくると、SSが推薦するグランド・ファンク・レイルロードのストレートなロックが頭の中で炸裂した。そして、近づく学校封鎖に参加する不安から、それこそ自暴自棄を誘発してしゃべりまくったが、記憶装置が少し壊れたらしく昨日しゃべった内容の記憶はとぎれとぎれとなっていた。 

始業前のクラスに入ると、SSはまだ来ていなかったが、既に登校しているDが机の中を見ろと合図してきた。机の中に入っていたのは封鎖グループからの案内文で、今日の金曜日に最後の集会を開くので参加してほしいという内容で、集まる場所の地図もついていた。Dからは、事前に金曜日を空けといてくれといわれていたが、この集会のことだった。そして集合場所として地図に記載されていたのは多摩川べりの空き地で、学校のある駅からK田方面に数駅先にあるT園前駅を降りて、歩いて5分ほどのところだった。 

毎年2月になると、このK高校では1-2年生を対象に男子5キロ、女子3キロマラソンを実施していたが、封鎖グループが集合場所に指定してきた空き地は、このK高校がマラソンのスタート地点としていつも使用していた場所だった。 

その日の昼休み、朝は遅刻してきたSSHのことを心配して話しかけてきた。 

H、大丈夫? 昨日結構いったよね。ちゃんと帰れた?

「それが良く帰りのことを覚えていないんだ。連絡もしないで10時過ぎに家に着いたから親から怒られたけどね。それにしても、グランド・ファンクはよかったね。魂の叫びみたいな感じでさ。」

「でしょ。なんたってストレートなロックでびんびんくるよね。ウィスキーは不味かったけど、それにさ、HR子とうまくいってないという話もしてたから余計に効いたんじゃない。」

「それ、やっぱりしゃべっていたんだ。うーん、自己嫌悪だな。黙ってろよ。」

「わかってるって。ショート・カットの女の子に弱いってのも秘密するからさ」

「余計に頭痛がしてきたよ。それもお前にしゃべったのか。」

「大丈夫だって。そうやって成長していくんだよ。女の子って難しいんだ。」

「もうこの話やめよう、なっ。」 

Hの頭痛は昼過ぎになってようやく取れ始め、6時限目の物理の授業が終わる頃にはすっかり回復し、やっと放課後となった。封鎖に参加するメンバーで同じクラスの体操班のD、そして剣道部のA野と連れ立って電車に乗り込み、集合場所にむかった。電車を降りる時には、T園前駅で同じ高校の生徒がぱらぱらと5-6人降り、足早にホームの階段を下り駅の改札口を抜けていった。彼らの向かう方向で今回の仲間であることが分かった。そして指定された空き地に着くと、既に20人近くの生徒たちが集まっていた。参加する生徒が一堂に会するのは初めてのことで、メンバーはお互いの顔を緊張した面持ちで見つめ確認した。このメンバーで来週の月曜日、K高校をバリケードで封鎖するのだ。 

そして集会は予定通り4時から始まった。封鎖リーダーNNからは、今回の決行についてメンバーの結束を求める演説があり、その後、グループをAからEまで5つに分けること、そしてそれぞれのグループ・リーダーを紹介して、グループ毎に当日の細かい役割を説明した。一番大変なBグループの役割は、宿直している用務員から学校の鍵を奪い、そして彼らを拘束して監禁することだった。このグループには柔道班の猛者がおり、また政治的に意識の高い生徒が多く、一番厄介な役割にもかかわらず平然として集会に参加していた。H達は、Cグループとなった。 

計画では、最初にAB2グループが高校に侵入して、まず電話線を切断し、そして用務員を拘束し監禁する事がこのグループの任務だった。そしてCグループは、監禁が成功したとの連絡を受けてから2番手として高校へ突入し、校舎の入り口にバリケードを構築して封鎖することが任務だった。当日は、それぞれのグループ毎に集合する場所が指示され、連絡係りも決まった。かなり周到な計画が用意されていることがわかり、話だけが先行して具体的なことが全然明らかにされていなかっただけに、Hは少し気分が落ち着いた。これで、来週の月曜日に本当にK高校は封鎖される事になると思った。

     ウィスキー 琥珀に沈む 恋もあり 

【続く】

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